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第62話 耳障り|データベースの開発・構築ならデジログへ

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第62話 耳障り

この頃何気なしに、自分が意図して聞こうとしなくても耳に入ってくる音楽が周りに氾濫していることをふと感じる。特に都心部ではそれが顕著であるため、たまに地方に行った時など、ことさらに、風の音、虫の鳴き声、草木のざわめき等が強調され、より静かさを実感できる。
都会では、しばしばその意図しない「音」が問題になることもあるが、その耳障り程度は・・・、
人それぞれであり、千差万別のようである。

2011年の東日本大震災以降よく耳にするようになった、携帯電話から発せられる「緊急地震速報」等は、随分と聞き慣れはしたものの、未だにその「音」にドキッとさせられる。これは、一瞬に注意喚起をさせるための警報音で「聞き慣れ」は禁物であり、その目的には合致している「音」であると言えるだろう。
一方、スーパーマーケットや量販店で繰り返し聞かされる「テーマソング」には購買意欲を高める効果があるらしい。それも、流す場所、時間帯、曲のテンポ等を変えることにより、それを聞いた人の行動にも変化があることまで分析されている、という話しを聞いたことがある。
コンビニの入店音も、サウンド、リズム、テンポなど、集客効果を狙って非常に良く考えられているとのこと。
同様に、以前は単に電車の発車を知らせるための合図であったブザーやベルも、今やすっかり様変わりをし、東京都心部では、発車メロディー(電子音)を採用している駅がほとんどである。
これも、地域性や利用客の特性等により異なるものであろうが、東京では(?)発車ブザーやベルが、人を慌てさせ駆け込み乗車を助長させている一因にもなっているとのことで、各駅において様々な工夫がなされ、オリジナルの発車メロディーを作成しているようである。
現在では、同じ駅でも、路線はもちろんのこと、上りや下り、また時間帯や季節によってもメロディーが変わり、もはや発車の合図を超えて、そのメロディーの意味を探る楽しみもある。東京で一番古い地下鉄で、昭和初期に開通した銀座線などは、神田駅の「お祭りマンボ」(美空ひばりさんのヒット曲)や、銀座駅の「銀座カンカン娘」等、昭和の懐かしいご当地メロディーが楽しめる。
その他、高円寺駅の「阿波踊り」や恵比寿駅の「エビスビールのCMソング」、水道橋駅の「読売ジャイアンツ応援歌」等々、各駅にちなんだメロディーを聞くことができる。
もちろん、単にその駅の(作り手の)話題作り的な自己満足の産物では無く、本来の乗客に対し安全及び確実に目的の列車の発車を知らせることが第一義であり、その上で、駅の特徴を出し乗客を和ませているものであろうが、果たして・・・?

たまに利用する「地下鉄(東京メトロ)東西線」。
この路線はその名の通り都心部を東西に横断し、西は中央線(総武線)、東は東葉高速線等に乗り入れており、日本橋駅の「お江戸日本橋」や九段下駅の「大きな玉ねぎの下で」等、まさにその地ならではの曲が発車メロディーに使われている。
以前は通勤で毎日利用していたこともあり馴染みも深いが、先日、西船橋から三鷹駅(総武線)まで、東西線をフルに乗る機会が何度かあり、その途中駅全ての発車メロディーを初めて聴くことに。
ぼんやりと、前日にあった出来事や、その日の予定や計画等を何気に考えていたところ、聞き慣れないメロディーに意識が削がれる。
気になったので、その後ネットで検索してみたところ、
何と、私も若かりし頃に夢中になって聴いていた、当時流行りのフュージョンバンドの一つ、「カシオペア」のメンバーの向谷実さんが作曲したものだと!
向谷さんが「鉄道オタク」であることは聞いたことがあるが・・・。
10代から20代にかけて、「プリズム」や「松岡直也&ウィシング」等と併せて、「首都高ドライブ」「夕空の高層ビル群」「南国の海辺」等々、シチュエーションに併せて選曲し、ミキシングしたカセットをよく聴いたものである。
何でも、この東西線の各駅のメロディーを合わせるとひとつの曲になるのだとか。
それを知り、改めて東西線に乗る機会に、各駅の発車メロディーに耳を傾ける、が・・・。
前回同様、乗車した時間帯は休日の昼前頃。
乗客も少なく途中まで車内はガラガラの状態で、想像するに、乗降客が少ないため、発車メロディーを途中で切っているものと推察する。
各駅でオリジナルの聞き慣れない曲の上、更には車掌さんがその時々のタイミングでプッツリ切ってしまう(?)ので、それが非常に耳障りである。
(あくまでも私の勝手な推測です)
電車の運行サイドからすれば、乗降客が少ないのにフルメロディーを流し続ける「無駄」を無くしたいことも理解できる。
しかし、それでオリジナルメロディーを作る意味はあるのだろうか?
もちろん、公共交通機関としての使命を考えれば、運行を第一に考えるのは当然といえる。
しかしながら、お金をかけて「いいメロディー(?)」を作っておきながら、途中でぶつ切りにし耳障りの悪い発車メロディーを流すくらいなら、元々あるスタンダードなサイン音のほうがどれだけましであろう。
恐らく、作曲者の向谷さんも、いくら鉄道オタクと言えども、自分の作ったメロディーが運行状況に依りぶつ切りにされることは望まないのではないか?

しかし、しかし、・・・、
不思議であるが、
毎日、通勤で東西線を使っている友人にこの話をしたところ、
全く気になったことも意識したことも無いと言う。
慣れでしょうか?
やはり、気になる(耳障りの)ポイントは、その人次第!?


いずれにしても、一生懸命なのは鉄道会社のメロディー担当者(?)のみでは、
作曲者も作り甲斐がないのではないかな~

あくまでも私見であり、事実がどうかは確認できておりませんので、悪しからず。


日付2018/08/15

投稿者半澤 透

ブログ-四方山話-



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