第61話 邪推でしょうか?
テレビ局には、キー局とローカル局があり、各地方でキー局の番組を見る場合に、受信機(テレビ)のチャンネルが異なることは良く知られている。
もちろん、ローカル局が制作する番組はその地方色が濃く、地元に必要な情報を主に提供してくれることは当然のことであるが、東京で暮らしている時にはほとんど「ローカル局」を意識することは無い。
6月29日に気象庁が関東甲信越地方の梅雨明けを発表した。
ここ数年は7月の終わり頃までぐずついた天気が続いていた(個人的な感想)のに、6月6日に梅雨入りが発表されたわずか3週間あまりでの梅雨が明けたのである。
今年の梅雨は東京ではそれほど雨量も無く、恐らく7月に入ってから雨が続くんだろうな、
等と7月にめじろ押しのアウトドアイベントの実施に嫌な不安感を抱いていたところ、
なんと6月に梅雨明けだと!
(数年前には、梅雨明け宣言を取り消されたこともあったなぁ・・・)
自他共に認める「夏男」としては嬉しい限りではあるが、あまりに予想外のことに、
「水不足?」「猛暑?」、逆に「冷夏?」
等とかえって様々な憶測、不安が頭をもたげる。
それもそのはず、日本の秋の風物詩と言える台風が夏本番前のこの時期に、既に3つも日本に接近し、そして台風7号は今まさに、この7月初めに本島に上陸しようとしているのである。
私が生まれてから五十数年の歴史において、これら昨今の気象状況は個人レベルで確かに異常と言える。
こんなことは、今までに経験が無いのだから。
しかし、メディアなどで声高に「温暖化」を解説する気象専門家のように、「異常気象」等とは、私は思ってはいない。
ど素人の私が言うまでもなく、「異常気象」については専門家の間でも様々な議論がなされ、賛否両論、諸々の意見が存在していることも知っている。
もちろん、温暖化等の気象への影響の如何にかかわらず、人間が自然環境を汚染することは看過すべきでは無いことは言うまでもない!
が、私は単純に、たかだか数万年程度の現世代の人類の歴史などは、地球の歴史から見れば「、」程にも満たないものであり、その更に数百年程度の歴史で記録されている気象の変化などは、「異常事態」などと論じるレベルでは無いと考えているだけである。
しかし、そんな「異常気象」云々より私が以前から、「少し」気になっていることは、それを伝える報道(キー局の)についてである。
日本では、台風の進路は西から東(南西から北東)に向かって進行することは一般的である。
そして、上陸後は徐々に勢力を落とし、列島縦断の際は東北に行き着く頃には衰えている傾向であること。
しかるに、その報道も、その影響の大きさからか「本土直撃」とか「本土上陸の可能性」等と、まずは「本土」の影響を、そして、更には西側(上陸側)を主体にした報道であるように常々感じている。
気象庁では、「台風上陸」という言葉は本土(本州、九州、四国、北海道)に対してのみ使うことと定義されている。(気象庁「台風に関する用語」より)
気象庁が発表する気象情報とは異なり、マスコミが台風を報道する場合それを伝える相手の大きさ(マス)を優先させることは理解している。
その意味でも、本土、そして、特に最も人口が集中している三大都市圏、更には政治経済の中心地の東京圏に対する影響を考慮しての報道が中心となるのであろう。
確かに、東京で暮らす私にとっては、まずは自分達(自分、会社、家族等)への影響が第一の関心時である。
しかし、本土上陸前、薩摩半島の枕崎や高知県の室戸岬、紀伊半島の潮岬等で暴風雨の中、荒れた海の様子を必死の形相でリポートする定番の映像に比べ、関東地方を通過し、東京では台風一過の青空が見える頃、これからまさに東北地方に暴風雨圏がさしかかる頃には、東京では天気コーナー以外ではほとんど取り上げられない(ように感じる)。
1991年9月に、特に青森のリンゴに大きな被害をもたらした「りんご台風(台風19号)」や、2016年8月、岩手県に上陸し、東北、北海道に甚大な被害をもたらした「台風10号」等のケースでは、関東以南の影響は少なかったもののキー局でも大きく報道されていたのは、被害の大きさはもとより、リンゴやジャガイモの被害が日本全国に影響するためであったからであろう。
(邪推でしょうか?)
今後、全国的に台風や地震以外にも、火山や集中豪雨等の自然災害が更に増えることが見込まれており、台風に関しても従来の定説(?)通りの進路を進むとは限らない。
また、世界各国から、東京を経由しないで直接地方都市に入る観光客も増えており、地方の位置づけも随分と様変わりをしている。
気象情報という観点で言えば、その知りたい地域のピンポイントの時間単位での情報も容易に手に入る時代で、既にマスメディアの報道価値は変わっている昨今、
そろそろ「マス」の報道の仕方を再考してもいいのでは、
などと、常々、ほんのチョット、感じております。
日付2018/07/02