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第53話 転機|digilog Blog データベースの開発・構築ならデジログへ

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ア ク セ ス

第53話 転機

人は誰しも生きていく中でいくつもの転機がある。
進学や就職、転職、あるいは人との出会い、結婚、事件や事故等。
それは、少なからず自分の意志が関係している場合と、全く自分の意志に関わらず訪れる場合がある。
どちらにしても、その結果の良し悪しはその時点では誰にもわからない。
また、短期的な結果と遠い将来の結果は必ずしも一致はしない。
従って、人は皆わかるはずも無い自分の未来を見据えて、「転機」に悩むのである。
自分自身の人生を振り返り、いくつかの「転機」を経験しその結果もわかってきた昨今、
若者でも年長者でも、自身の内面から沸き起こる意志による「転機」には大いにエールを贈りたい!

7月28日、住之江ボートレース場で、一人の女子レーサーが初勝利をあげた。
孫崎百世(まごさきももよ)選手(28歳)である。
彼女は4年間勤めていた救急病棟の看護師を辞めて、一念発起ボートレーサーに転身した。
切っ掛けは、たまたま同僚と行ったボートレースで、その迫力にただ圧倒されるのでは無く、
それに挑戦してみたいと思った、とのこと。
2016年11月のデビュー戦以降100レースの殆どが6着(ボートレースは6艇で競走するので、すなわちビリ)であったが、この日、全国地区選抜戦の5日目第一レース、通算101レース目に6コースの大外からのまくり差しで見事一着でゴール!

2009年から、ボートレーサー応募資格の年齢制限が21才未満から30才未満に引き上げられたこともあり、大手メーカーのエンジニアや上場企業のサラリーマン、またモデルやカーレーサーからの転身など幅広い。
年齢も様々である。(現在の応募資格は15歳以上30歳未満)
一般的にプロスポーツ選手と言えば、野球やサッカー、バスケット、ゴルフなど、学生時代からその競技を経験し、その道のトップを目指した結果、プロフェッショナルになる者が大多数であろう。
しかし、ボートレースという特殊性を考えると、決してそれまでに経験など出来るものでは無いことから、殆ど全ての者が、ボートレーサー養成所(やまと学校)で始めてボート(レース用)を経験することになる。
養成所の入学試験にはレーサーとしての適性検査もあるが、それらの試験をパスした者は、皆スタートラインは同じなのである。

ボートレースというマイナーな競技で、公営ギャンブルという性質から、ボートレーサーに馴染みの無い人も多いことであるが、体格が小さく、ある程度の運動能力と適性を持っていれば、誰もが挑戦可能な世界なのである。
レーサーである以上、レースに勝って賞金を稼ぐことが生業となるが、ボートレーサは賞金以外でも出走すればもらえる手当や日当などもあり、すなわち、勝たなくても、優勝しなくてもそこそこの稼ぎになり、選手の平均年収は、男女共に一般サラリーマンと比較してかなり高い。
年齢層も幅広く、運動能力、テクニックとも、30~40代がピークと言われる中、経験を生かし60代の現役レーサーも走っている。(過去には70代で優勝した伝説のレーサーもいた)
しかし、その中から、TOPクラスのレーサーになるためには、相当な努力を積み、精神的な強さ、他者との駆け引きや勝負勘等、様々な要素に勝っていなければならないことは言うまでも無く、そんなレーサー達の年収は億を超える。

そんなことから、いわゆる脱サラし転職先として、一職業としてボートレーサーを考える者が増えているものと推測する。ボートレースファンのひとりとしては、新卒組でも脱サラでも高いテクニックを身に付け、面白いレースを見せてもらえればいいわけであるが、その選手の職歴や経歴、そこに至る環境などを知り、各人の「転機」に思いを巡らすことも一興である。
孫崎選手には、単なる一職業として甘んじること無く、今後更に技術的にも精神的にも大きく成長し、
「勝ち」を積み上げ、是非トップレーサーを目指して欲しい。
精一杯やったその結果がどうであれ、この「転機」を、自身の選択した道を絶対に後悔しない、
と私は信じて疑わない。
若者の「転機」の結果は、それを糧にしていくらでもやり直しができるのだから。

自分はこれから、あとどのくらい「転機(意志による)」を向かえることであろうか。

日付2017/08/01

投稿者半澤 透

ブログ-四方山話-



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