第7話 「ブリッジSE」の役割
ベトナムのエンジニアと様々なやり取りにおいて、しばしばズレを感じる。
これはベトナムに限ったことではなく、海外取引において誰もが実感する「壁」であろう。
言語は勿論のこと、文化や習慣、気候、歴史、風土などの違いにより、必然的に発生する
ギャップであり、特にシステム的には仕様面での勘違いには注意が必要である。
そのギャップを補正すべく「ブリッジSE」という要員も存在している。
そんなギャップを経験する都度、ふと思い出す出来ごとがある。
私が20代の頃、実際にあったちょっとした笑い話である。
あるイベント参加者のデータを整理するにあたり、新人部下の一人に、住所項目から出身地として都道府県を別項目に抜き出す作業を依頼した。
その抜き出し方法について、東京、千葉、新潟のように、「都道府県は省いて抽出」するよう指示し、1時間程して作業の状況を見に行った。
こつこつと地道なアナログ作業であるが、3割程度終わっている模様。
住所順にリストを並べ換えし、なるほど、都道府県単位に作業をしている、
んっ・・・、「北海」!?
「この北海って?」
「はい、北海道ですが・・・」
「えっ、北海なんて言い方しないだろう?」
「・・・そうですが、でも、都道府県は除くとおっしゃていたので・・・」
「・・・!?」
確かに私は「都・道・府・県 は省く」ように指示したのは事実であるが、
しかし、「出身地:北海」などと言うか? (言わない!)
「県警」「府立」「都議」と同様に「道警」「道立」「道議」とは言っても、「北海」とは言わない。
一都二府四十三県は「都・府・県」が無くても有効なのに、「北海」という言葉は無い。
理屈で考えたら、たしかにおかしい、かも・・・?
しかし、これが外国人ならともかく、当作業にあたった新人は紛れもない日本人。
(「外国人」に差別の意図はありません)
よってその滑稽さゆえ、しばしばネタに使わせていただいています。
言語は、時代や場所が変わるに連れて意味も変化していくものであり、私も気がつかずに誤った言葉の使い方をしていることも間々あるが・・・。
「北海」についてはともかくとして、将来、国内においても世代間における「ブリッジSE」が必要になる、
なんて時代にならないであろうか・・・。
日付2011/05/19