第6話 「筆舌に尽くしがたい・・・」
筆舌に尽くしがたい大惨事である。まさに形容する言葉も無いのは誰も同じ気持ちであろう。
「東日本大震災」のことである。
一瞬にして多くのものを奪い去っていった大災害。
また、辛くも難を逃れ避難所で生活されている方々も、窮屈でくつろげないばかりか、物資も乏しく、
更には雪も降る寒さの中、どれほどのストレスかは計り知れない。
被災地の山田町、雄勝町(現石巻市)には、以前、合宿研修で幾度もお世話になった地であるが、
テレビの映像で見る限り、面影どころか何も残っていない惨状で、皆様の安否が気遣われる。
そんな状況を見聞きし「何か出来ないか」「何か手伝えることはないか」「自分が役立てることはないか」等皆が同様の思いを持っていることであろう。そして既に多くの個人、企業が実際に活動を開始している。
その思いは各人各様であっても、方向性は一つ、「復興」であると思う。
私の経験してきた限りにおいて、これほどまでに日本人の気持ちが一方向にまとまり行動を
起こすことなど、 未だかつてなかったのではないだろうか。
しかし、その一方で、やはりいるものである。
避難所にある乗用車からガソリンを抜きとる「窃盗」や「車上荒らし」、災害義援金を語った
「振り込め詐欺」、 被災地の倒壊住宅からの「窃盗」等、震災につけこんだ犯罪である。
ついには被災した信用金庫から4,000万円が盗まれた。
せめて願わくは、盗んだガソリンが生活のために否も無く使用するものであったことを祈りたい。
日付2011/03/24