第3話 謹賀新年
明けましておめでとうございます。
旧年中は一方ならぬご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。
本年もあい変わりませぬご厚誼のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。
ここ数年、当社の年賀状は「富士山」をテーマに制作している。
「富士山」は言わずと知れた日本の最高峰の山であり、ある意味では日本のシンボルである。
また、霊峰と呼ばれ信仰の対象になったり、最近では
パワースポットとして新たな人気を集めている。
私は、7年前に娘と初登頂を目指して以来、個人的に毎年富士山に登っており、
今や私の年中行事の一つにもなっている。
そして、富士山に登る都度、筋肉・関節・心肺機能の辛さはもとより、
酸欠によるめまい・頭痛、または雨や雪・突風等の急激な気象の変化によるダメージ、
時には避難場所も全く無い状況での落雷等々、
そんな時、人間のちっぽけさ、無力さをまざまざと思い知らされる。
昨年は、自身の体力低下と雪の降る気象条件もあり、
初めて「ギブアップ」の言葉が頭をよぎりもした。
そんな辛さの中、自分の人生を、たどってきた軌跡を、登山に重ね合わせ自分の過去を顧みる。
失敗、迷い、おごり、傲慢、後悔、そして反省や懺悔・・・、
そこで改めて自分の弱さを再認識し、それを乗り越える意志を試される。
圧倒的な大自然の中に身を置き、辛さを乗り越え自身の弱さを克服した結果、
進むべき方向性や判断、または問題点を、初心に返り考えることができる。
そんな富士山を年の初めの「年賀状」のテーマにすることで、
初心を忘れずにいつも謙虚な気持ちで仕事に臨む思いを込めている。
では、そこに何故いつも犬がいるのか?
犬は、古くより人間の良きパートナーであり、
また、南総里見八犬伝でも知られているように「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」と、人間が生きて行く上で重要である八種の道徳的規範を・・・、云々カンぬん
・・・毎年の撮影時に、唯一私のお伴をしてくれている我が家の愛犬ムサシ。
2006年(戌歳)に初めに撮った構図がハマっていたため、その後も(干支関係なく)採用させていただいています。
ある方から「合成ですか?」と聞かれたことがありますが、一切何の加工もしておりません。
「一富士、二鷹、三ムサシ、・・・」
日付2011/01/01